6月18日~20日 海士町視察


まいど。福井です。 
今回はいつものブロガー石川に代わり、6月18日〜20日に行った海士町視察について 福井が書いていきます。がんばって読んでください!
(!)注意、文字多め。 

【どうして、いま、海士町なのか】
今回、海士町へ視察に行きたいと考えた一番大きな理由は、海士町の役場の体制・姿勢人々の目の色・気持ちそして町の一体感というものを肌で感じたいというものでした。
IFJの主な取り組みとして、フットパス計画に取り組んでいることはこれまでも伝えてきましたが、IFJではフットパス計画以外にも、4人の町長付が一人ひとりの興味関心・問題意識に沿った活性事業として自由活性課題を行っています。

4人がフットパス計画・自由活性課題に取り組んできた3ヶ月弱の中で、これまで4人が捉えていた津和野町の課題というのは表面的なもので、てこ入れすべきはもっと本質的な問題ではないか、と感じたため地域でイノベーションが起こるまちである海士町への視察を決定しました。

【海士町ってどんなことしてるの】
今回の視察で対象となる取り組みは大きく3つ。
①CAS(最新凍結技術)の利用を軸とする産業創出事業
(CASについてはこちらCAS技術について/海士町のページ)
②島ガール・ロマンティックアイランドを中心とする観光への取り組み
(島ガールについてはこちら島ガールのブログ)
 ③隠岐島前高校魅力化プロジェクトと公設塾「隠岐國学習センター」について
(両取り組みについてはこちら隠岐島前高校ホームページ

海士町では、他にも多くの画期的な取り組みが行われていますが、今回はこの3つについて主に視察に行きました。




【6月18日】
津和野の特産であるわさびを持参し、津和野を出発して自動車で5時間余り、隠岐諸島への玄関口である、七類港を経由して、高速船に乗り込み約2時間。ほぼ半日かけて海士町に到着しました。(島根はやっぱり、東西に長い)今回の研修には地域振興課の課長とIFJから福井と坂和の二人が参加しました。

初日は午後7時頃に海士町に到着したので、研修は行わず、海士町長の自宅兼民宿であるあざ美荘に宿泊しました。「せっかくの一夜を無駄にしてはいけない。ちょっとの時間ももったいない」と感じた福井は寝静まる二人を部屋に残し、夜の海士町に繰り出しました。

海士町の掲げるモットーである「ないものはない」に象徴されるように、夜の海士町には都会にあるようなネオンや繁華街はありませんでした。しかし、「ないものはない」つまり「あるべきものはある」の言葉通り、穫れたての美味しい魚や、居心地の良い民宿がありました。

ふと、立ち寄った居酒屋は、海士町で伝統舞踊を踊り継ぐお母さんがママを務めるお店で、地元の方々が多く集まるお店でした。
「海士町にはね」「海士の人はね」と、町の事業・人・文化・歴史を次から次へと教えてくださるママさんを見ていると、まるで海士町の観光大使なんじゃないか?と疑えてしまう程でした。ごくごく「普通の」一人の町民が、ここまでまちのことについて胸を張って語れることが、果たして津和野でできるのかな?と少し考え込んでしまった夜でした。

ママさんと話し込んでいると、翌日お話を聞く予定だった公設塾のセンター長である豊田さんと偶然出会い、そのままそこでざっくばらんな意見交換を行いました。
海士町では、居酒屋もすぐに議論の場に早変わり。このあたり、津和野町にも似通った地盤がありますね。



【6月19日】
二日目はまず、海士町役場の職員の方(田中さん)から海士町の事業と全体像についてのプレゼンを聞いた後、昼食をとり、現地視察に出かけました。


田中さんの話を聞いて、改めて海士町がすごいと感じた点、同時に、津和野町が見習わなければいけないと感じた点は2つあります。

①職員が縦割りの課を超えて仕事を行い、それぞれの職員が「主体性=オーナーシップ」を持って仕事に取り組んでいる点。

②町民と職員の信頼関係ができており、それぞれの領分で全力投球し、「恊働」していること。

海士町の取り組み一つ一つを真似していても仕方がないです。そうではなく、それらの取り組みをうんだ地盤・雰囲気・気運はどのようなものであるかをしっかり見極め、津和野のまちづくりに活かしていきたいと感じた意見交換会でした。



昼食で隠岐牛の焼き肉を頂いた後に、現地視察に出かけましたが、海士の雄大な大地で育まれる隠岐牛を目の当たりにしてしまったので、なんだか申し訳ない気持ちにもなりました。

現地視察では主にCAS関連施設を見て回り、実際の活用方法などをビデオで記録し、津和野でのCAS利用の可能性について考察しました。



現地視察の途中、議会中ということもありお忙しいにも関わらず、海士町長が直々にお会いしてくださいました。年齢を感じさせないバイタリティを持つ方で、歯切れがよく、決断力に富み、また部下からの信頼もあついように感じました。
中でも印象的であったのが「優秀な人間なら、町内出身であろうが、町外出身であろうが、採用する。そして、年功序列もなしだ」という言葉でした。町長が自信を持ってこのような発言を行い、実際に事業を執り行うので、まちの人々の頭の中にも自然と「どんどん人を受け入れよう」という考えが広まってきたのではないでしょうか。



町長との会談後、体験施設に戻り島の女性有志からなるロマンティック愛ランド実行委員会の方々二人とお話をしました。現在IFJが取り組むフットパスについてと、個人的に夏に企画している「つわたび」について意見をいただきました。若手の住民が主体的に取り組んでいるということもあり、メディアに取り上げられることもあるそうです。あらゆる媒体を用いて打ち出していく姿勢は見習わなければならないことが多かったです。

その後、隠岐島前高校魅力化プロジェクトに携わる岩本悠さんのお話を伺いました。IFJの取り組みの一つとして教育に関する取り組み、その中で同じく高校魅力化プロジェクトに携わり始めていることもあり勉強になることが多かったです。
職員と、高校と、県の教育委員会と、まちの人々と、高校生と、様々な立場の人が同じ方向を向いてそれぞれにできることを一所懸命行うことで初めて、魅力化プロジェクトがスタートし、少しずつ成果が出ているとおっしゃってました。津和野高校も魅力化プロジェクトがスタートしていますが、単なる行政主導の机上の空論に終わらず、「本気で変えようとする姿勢」で一人ひとりが取り組むことが何よりも大切ではないでしょうか。分厚い計画やビジョンよりも、人の中にある熱い想いが大切なんだ、と改めて気付かされた意見交換会でした。


夕食後、隠岐國学習センターを見学しました。豊田さんとは前日にも話していたこともあり、かなり深い内容の話まですることができ満足でした。また、センターで学ぶ高校生一人ひとりと話してみると、「目の色」がまず違うことに気がつきました。
先生にやらされて、親が言うから、まわりがやるから、ではなく、「自分のやりたいことに繋がるから」という自発的な理由で学びに本気で取り組んでいることが伝わってきました。「自分のやりたいことに繋がる」という点は、岩本さんも豊田さんも大事になさっていたことでした。
お二方とも「人口減少」→「雇用がない」→「人口流出と若者の減少」という人口減少の悪循環を、隠岐島前高校を「海士町の現実を直視しながら学んだ若者が、海士町で起業し、雇用をうむ」ための準備の場所として捉えることで、「若者(高校生)の増加(島外から)」→「彼らによる雇用の創出」→「人口増加」につなげるという、悪循環の逆流を起こしたいとおっしゃっていました。
「教育」というテーマは一見とっつきにくく、また、まちづくりには関係の薄いトピックに感じられがちですが、こうして考えると重要なテーマであることが認識できます。


【6月20日】
海士町最終日。この日は朝から交流促進課の課長と意見交換を行いました。定住施策や、観光対策を主に行う彼からは鋭い意見がいくつもでてきました。「観光に来てくれる人は定住に最も近い人だ」と考える彼は、観光と定住施策とを連結して捉え、今まで取り組みを行ってきたそうです。観光×定住の取り組みは津和野町としても見据えるべき取り組みであると改めて認識し、フットパスにもこの観点を活かしていきたいと感じました。



最終日のお昼は、CASによって冷凍された牡蠣を解凍したものを頂きました。「冷凍だよ」と言われないと全くわからない程のぷりぷり感と美味しさでした。例えば、津和野の鮎がCASによって全国に届けられるようになれば、津和野の魅力発信にもつながるのでは?とも感じました。


最終日の出航間近になって、やっと晴れてくれた隠岐の空。3日間、休憩無しで多くの人の話を聞き、深く考えさせられました。

【視察を終えて】
今回の視察では、今まで見えていなかった津和野町の課題や改善すべき点を再認識することができました。この3日間で得たものを如何にまちに還元していくか、ここに、視察の有用性がかかっていると考えています。すこしずつではありますが、ひとつひとつ、こつこつと取り組みをすすめたいと考えています。

P.S. 想いがあふれ過ぎて、とても長くなってしまいました。


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